2010/04/19
5. 日本の進むべき道 -小さな政府か、多いきな政府か -
3.2. 投資銀行とグルになった格付け会社によるサブプライムローン証券の高格付け
米国の新自由主義に基づく市場経済においては、企業や国、自治体などの発行する債券の「信用力」をランク付けする格付け会社が生まれて、この格付けは世界共通のモノサシになり、投資の重要な判断基準とされてきました。しかしながら、米国のサブプライムローン破綻を機に、ずさんでデタラメな格付けが発覚したのです。08年11月14, 15日に米国ワシントンで開かれた緊急金融サミット(G20)の首脳宣言の行動計画で、中期的対応として格付け会社の登録制を導入することが盛り込まれました。それに基づいて、日本政府は格付け会社への規制導入を盛り込んだ金融商品取引法改正案を閣議決定し、格付け会社を証券業者と同じ登録制にし、金融庁の監督対象とすることにしました(毎日新聞2009年3月7日付)。すべてを「市場メカニズム」に委ねる市場原理主義をとる米国にとっては、この格付け会社の規制と監視は市場原理主義に反するもので抵抗すべき政策なのです。事実、当初、日欧の打診に対して米国は強力に抵抗していたが、サブプライムローン問題を契機に格付け会社の杜撰さ(「サブプライム問題と米国の保険業界」ニッセイ基礎研究所 REPORT July 2008)が明るみに出たことにより抵抗しきれなくなったというのが実態なのです。
本来なら返済能力がない低所得者向けの非常にリスクの高いサブプライムローンを証券化して、他の金融証券に潜り込ませてリスク回避を図った金融商品に、どのようにして日本の国債よりもはるかに高い「トリプルA」のような高格付けができたのでしょうか。この高格付けに金融工学者が貢献したと言われています。金融工学者は、いわゆる航空工学者のごとく、空気の中を航空機がスムーズに飛行させるように、サブプライムローン債権を組み込んだ金融証券が金融という空気の中を落下させないように円滑に飛行させるように仕組んだのです。このためには、トリプルAという高格付けが必要不可欠であったのです。
米国の市場経済は、公的な規制や監視を撤廃し、市場メカニズムに非常に信頼を置く経済であるが、本来なら商品の格付けは、本来市場メカニズムの中で適正に決定されるはずではないでしょうか。しかしながら、サブプライム問題で露呈したように、ある特定の人間や集団により歪められていたのです。それが、サブプライムローンを証券化した金融商品で露見したのです。しかも、米国は自ら推し進める経済のグローバリゼーションにより、このサブプライム関連の金融危機を全世界にばら撒いたのです。
特に問題なのは、その実態(全体像)が掴めないことから、その不安が加速度的に大きくなり金融恐慌に発展しかねない状況を生んだのです。このような状況に至っても、米国の後追いをし、さらに小泉構造改革を推し進めようとする日本の新自由主義者の主張を日本国民はまだ信用し、追従するのでしょうか。未だに、日本に本格的に新自由主義を導入した小泉や竹中らをもてはやすマスメディアが存在し、これらに踊らされている多くの国民(B層)がいるのは信じられないことです。
米国の大手格付け会社、ムーディーズ社などによる02年度の日本国債の格付けは、主要国では最低ランクで、アフリカのボツワナ以下にランクされていることはご存知でしょうか。経常赤字が巨大で実質的に破産している国家ともいえる米国の国債はトリプルAに格付けしているのは、何らかの意図(中国や日本による米国債の購入促進?)があるとしか思えないのです。サブプライム問題で、米国格付け会社のズサン、かつ意図的な判断基準が露呈されたことから、この日本国債のランク付けも信用できるものではないことは言うまでもありません。素人でも考えればわかるように、証券化市場の急拡大とともに、複雑かつ多様化した証券や債券を一つの会社が分析・評価して格付けすること自体かなり無理なことではないでしょうか。米国はこのようなズサンな格付けを基準にしてきた「市場メカニズム」を金科玉条のごとく堅持し経済のグローバリゼーションと称して、この新自由主義を世界に押し付け、その害毒を多くの国にばら撒いたのです。
米国の新自由主義に基づく市場経済においては、企業や国、自治体などの発行する債券の「信用力」をランク付けする格付け会社が生まれて、この格付けは世界共通のモノサシになり、投資の重要な判断基準とされてきました。しかしながら、米国のサブプライムローン破綻を機に、ずさんでデタラメな格付けが発覚したのです。08年11月14, 15日に米国ワシントンで開かれた緊急金融サミット(G20)の首脳宣言の行動計画で、中期的対応として格付け会社の登録制を導入することが盛り込まれました。それに基づいて、日本政府は格付け会社への規制導入を盛り込んだ金融商品取引法改正案を閣議決定し、格付け会社を証券業者と同じ登録制にし、金融庁の監督対象とすることにしました(毎日新聞2009年3月7日付)。すべてを「市場メカニズム」に委ねる市場原理主義をとる米国にとっては、この格付け会社の規制と監視は市場原理主義に反するもので抵抗すべき政策なのです。事実、当初、日欧の打診に対して米国は強力に抵抗していたが、サブプライムローン問題を契機に格付け会社の杜撰さ(「サブプライム問題と米国の保険業界」ニッセイ基礎研究所 REPORT July 2008)が明るみに出たことにより抵抗しきれなくなったというのが実態なのです。
本来なら返済能力がない低所得者向けの非常にリスクの高いサブプライムローンを証券化して、他の金融証券に潜り込ませてリスク回避を図った金融商品に、どのようにして日本の国債よりもはるかに高い「トリプルA」のような高格付けができたのでしょうか。この高格付けに金融工学者が貢献したと言われています。金融工学者は、いわゆる航空工学者のごとく、空気の中を航空機がスムーズに飛行させるように、サブプライムローン債権を組み込んだ金融証券が金融という空気の中を落下させないように円滑に飛行させるように仕組んだのです。このためには、トリプルAという高格付けが必要不可欠であったのです。
米国の市場経済は、公的な規制や監視を撤廃し、市場メカニズムに非常に信頼を置く経済であるが、本来なら商品の格付けは、本来市場メカニズムの中で適正に決定されるはずではないでしょうか。しかしながら、サブプライム問題で露呈したように、ある特定の人間や集団により歪められていたのです。それが、サブプライムローンを証券化した金融商品で露見したのです。しかも、米国は自ら推し進める経済のグローバリゼーションにより、このサブプライム関連の金融危機を全世界にばら撒いたのです。
特に問題なのは、その実態(全体像)が掴めないことから、その不安が加速度的に大きくなり金融恐慌に発展しかねない状況を生んだのです。このような状況に至っても、米国の後追いをし、さらに小泉構造改革を推し進めようとする日本の新自由主義者の主張を日本国民はまだ信用し、追従するのでしょうか。未だに、日本に本格的に新自由主義を導入した小泉や竹中らをもてはやすマスメディアが存在し、これらに踊らされている多くの国民(B層)がいるのは信じられないことです。
米国の大手格付け会社、ムーディーズ社などによる02年度の日本国債の格付けは、主要国では最低ランクで、アフリカのボツワナ以下にランクされていることはご存知でしょうか。経常赤字が巨大で実質的に破産している国家ともいえる米国の国債はトリプルAに格付けしているのは、何らかの意図(中国や日本による米国債の購入促進?)があるとしか思えないのです。サブプライム問題で、米国格付け会社のズサン、かつ意図的な判断基準が露呈されたことから、この日本国債のランク付けも信用できるものではないことは言うまでもありません。素人でも考えればわかるように、証券化市場の急拡大とともに、複雑かつ多様化した証券や債券を一つの会社が分析・評価して格付けすること自体かなり無理なことではないでしょうか。米国はこのようなズサンな格付けを基準にしてきた「市場メカニズム」を金科玉条のごとく堅持し経済のグローバリゼーションと称して、この新自由主義を世界に押し付け、その害毒を多くの国にばら撒いたのです。
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