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2014/04/16

6. 低炭素・循環型社会の構築

6) 農業の再生と環境保全
6)-8 水技術による世界への貢献

a) サウジアラビアの水資源確保への貢献
日本は、現在世界一の水準にある海水淡水化技術や水処理技術により中東諸国の水資源確保に貢献しています。サウジアラビアでは、首都リアド郊外の砂漠に造られた大規模な小麦畑があります。この小麦畑に必要な水は、400 km離れたペルシャ湾の海水を淡水化した水をパイプラインで運んでいるのです。しかしながら、この小麦畑もまもなく消える運命にあるようです。その原因は、水不足にあり、畑に水をやる余力がないほど水の供給が逼迫しているのです。海水の淡水化プラントでつくられる飲料水は20年前に比べて3倍以上に達しており、生産が追いつかない状況にあるのです。

サウジの水消費は85%が農業用水で占められており、1995年まで小麦の輸出国であったが、小麦の生産を減らして浮いた農業用水を飲料水に回さなければならない状態に追い込まれています。その結果、2009年にはサウジは小麦の輸入国に転落するとされています。年々、増加する水需要をカバーするために、現在、下水の再利用が注目されているのです。

海水からの淡水化技術および下水の活性汚泥処理、高度処理水製造技術も日本の得意分野であり、地球温暖化に伴う水資源の偏りや砂漠地域における水資源の確保に向けて、これら日本の優れた水技術は今後とも大いに貢献できるのではないでしょうか。
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小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
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