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2014/03/17

6. 低炭素・循環型社会の構築

6)農業の再生と環境保全
6)-7 地球環境保全および食糧確保には遺伝子組み換え(GM)作物の開発が不可欠

農業用水の確保には、コスト的にも、大規模水源の開発にも限界があり、そう簡単に増やすことはできません。その代わりに、少ない水で高収量の農作物を作る技術を人類はすでに開発しています。いわゆる遺伝子組み換え(GM)作物です。米国の穀倉地帯の地下水脈を枯渇させることなく、水資源を節約しながら、これまでの2倍以上の収量の農業生産を達成するには、GM技術による農作物の育種改良以外に解決することは不可能と思われます。そのためには、乾燥に抵抗性があり(干ばつに強く)、収量が2倍以上のGM作物を創製することであり、現在のGM技術を駆使すればそれほど大きな困難を伴うことなく達成可能なのです(ただし、地球環境保全のためには外界での交配を防ぐ手段も組み見込むことが必須であることは論をまちません)。地球環境を保全しながら、全世界の食糧確保にはGM作物を開発以外に、解決の道はないように思われるのです。
このような地球の危機において、日本がバイオテクノロジー、とくにGM技術で欧米だけでなく、アジア諸国からも取り残されているのは非常に残念なことではないでしょうか。

日本のあるTV番組で「病害虫に対する抵抗性遺伝子を組み込んだ野菜をチョウの幼虫に食べさせるとすぐに死ぬ映像」を放映し、GM作物の安全性の問題を暗に提起するような報道をみたことがあります。この野菜には害虫に抵抗性を示す遺伝子を組み込んであるので、チョウの幼虫は野菜にとって害虫であるので、毒性を発揮し死滅させるのは科学的にいって当然のことですが、あたかも人体にも毒性があるように暗示をかけているとしか思われません。

日本のGM技術がアジア諸国にも及ばないほど低水準におかれたのは、このような非科学的、かつ低俗なマスメデアによるGM作物やGM産物(トウモロコシ、大豆など)の排斥が原因であり、もはや取り返しのつかない大きな誤りを犯した結果なのです。
日本では、交配や自然突然変異を利用した農作物の育種(本質的には遺伝子変異、付加を伴う)が認められているのに対して、同様に遺伝子変異、付加である人工的なGM作物による育種を排斥するのは、非科学的であり、無知以外のなにものでもありません。ここでも日本人の論理的思考の弱さが露呈されているのです。
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小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
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