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2014/02/12

6. 低炭素・循環型社会の構築

6) 農業の再生と環境保全
6)-6 農業生産のための水資源の確保

地球上の水がバケツ一杯分だとすると、人間が利用できる水はスプーン一杯程度に過ぎないと例えられます。地球温暖化による気候変動により世界各地での降雨量が激変しており、農業生産は大きな影響を受けつつあるのが現状です。これが、今日における食糧需給バランスを崩し、食糧価格の高騰を招いている一因なのです。

最も深刻な問題の一つは、米国穀倉地帯の水資源の枯渇が間もなく起こる可能性があることです。米国穀倉地帯には「オガララ帯水層(Ogallala Aquifer)」と呼ばれている広大な地下水脈があります。その水のほとんどは2000万年前~500万年前にかけて氷河期の氷が解けて出来た、いわゆる「化石水」です。年間降水量が500 mm前後しかないこの地域ではオガララの水無しでは、この地帯は穀倉地帯として発展しなかったのです。1910年代にはじまったこの灌漑農法は確実にオガララの水量を減らし続け、これまでのスピードで灌漑を続けていくと、今後、おそらく50~100年程度で涸れてしまうと予想されています。

アフリカのサハラ砂漠周辺諸国における降雨量の減少、および家畜による草木類の枯渇による砂漠化と食糧生産の減少、一方では人口爆発があり、これらの低開発諸国における食糧自給は極めて困難になっています。また、中国やインドのような経済発展が著しく、農地の工業団地への転換、農民の都市労働者への移動などにより、農業生産が低下するとともに、肉食化などの食生活の変化により食糧輸出国から輸入国へ転落しているのです。中国やインドなどの新興諸国における工業発展による水質汚濁や森林伐採などによる砂漠化も急速に進んでいる状況にあります。さらに、これら農業生産における負の要因に加えて、地球温暖化に伴う気候変化による降雨量の激変、オーストラリアでみられたように豪雨と干ばつによる農業被害が頻発するようになってきているのです。

人間に必要な生活水に加えて、農業生産に必要な水資源を確保するには、①水の浄化技術の高度化による水の循環利用、②植林による土壌の保水力向上と国土保全、③植林による砂漠化の抑制、④海水の高度かつ安価な淡水化技術の開発などが挙げられるが、農業生産にこれまでと同様に大量の水資源を投入するのは、もはや不可能な状況にあるのです。

生活用水の確保の一つとして海水の淡水化がありますが、この技術は日本が世界でもトップであり、日本技術により中東諸国では海水淡水化による生活用水が供給されています。この最先端の海水淡水化技術というのは、東レが開発した逆浸透膜を使った逆浸透法による海水の淡水化です。 海水の淡水化にはネネルギーが必要であり、中東諸国は産油国であるので、安価な石油を用いて海水の淡水化による生活用水や農業用水を生産しています。 

しかしながら、他の国では海水の淡水化にはコスト上の問題があります。また、産油国といえども、化石燃料を使用する海水淡水化は温暖化ガス排出の問題があるため、中東諸国に豊富に降り注ぐ太陽エネルギーを利用した海水淡水化が進められています。
この太陽エネルギーの利用には、太陽光をミラーで集光して熱エネルギーに変え、この熱エネルギーを利用した蒸気タービンによる発電法と太陽電池パネルによる発電があります。いずれも日本の技術が世界トップレベルにあるので、日本はこれら技術を生かして中東諸国での石油にかわるエコエネルギーの開発と海水淡水化に貢献すべきです。
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小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
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