FC2ブログ
2014/01/09

6. 低炭素・循環型社会の構築

6) 農業の再生と環境保全
6)-5 GM作物の米企業独占

日本では、長く白眼視されてきたGM作物に地球温暖化という追い風が吹き始めているのです。GM技術の知的財産権を独占し、世界の主要作物の種子支配をねらってきたのは、米国企業のモンサント者であり、食糧需給バランスの崩れによる食糧価格の高騰や地球温暖化による気候変動による食糧生産減少をGM作物で乗り切ろうという世界戦略をたてているのです。同社によれば、トウモロコシ、大豆、綿という主要農産物3品目について、2030年までに2000年と比べて収量を倍増させる種子の開発を目指しているのです。環境を保護しながら、増える食糧需要を満たさなければならないので、その栽培に必要な土地、水、燃料の量を3分の1二削減して、この収量倍増計画を達成しようとしているのです(朝日新聞2008年7月20日付け)。

欧州は当初、日本と同様にGM農産物の安全性に懸念を持っていたが、米国において科学的な安全性が確認されるにつれて、日本とは異なりGM農産物を受け入れようとする機運が高まっています。事実、2008年、当時のブラウン英首相は、「食糧問題の解決を探る研究に乗り出す必要がある」としてGM技術を洞爺湖サミットでの議論にのせるように提案し、ブッシュ米大統領からの要求もあり、サミットでは食糧安全保障に関する特別声明に、GM技術を含むバイオテクノロジーの促進が盛り込まれたのです。

米国は、新自由主義による未曾有の金融危機を招き、米国経済は破綻しており、米国一国支配の終焉を迎えつつあると見られていますが、これらの意見は米国の国力、技術力やイノベーションにおける底力を見落としているのです。金融危機後の米国戦略として、米国は世界一の水準にあるバイオテクノロジーを用いたグリーン革命による食糧増産と食糧安保戦略、さらに新エネルギー開発(バイオエタノール、シェールガスからの水素生産など)による低炭素社会の樹立と温暖化ガス排出枠権の売買システムを利用した華僑金融経済を狙っているのではないでしょうか。

特に、バイオテクノロジー分野での長年の経験から、最も残念なことは、日本人の愚かで科学的根拠のないGM農産物に対する嫌悪により、農業分野でのバイオテクノロジーの発展が阻害されると同時に、この技術を使った農作物の育種改良を進めてきた日本企業は、すべてこの分野からすでに撤退しているのが現状なのです。それゆえ、日本のバイオテクノロジーの技術レベルは、韓国、中国、シンガポールなどのアジア諸国と比べても低い水準に甘んじざるを得ない状況に置かれているのです。これに反して、米国はいち早く、バイオテクノロジーが最も生かせる分野である農作物の育種改良に適用し、優秀なGM農作物の創製にすでに成功しているのです。これらのGM技術およびGM農作物や種子に関する知的財産権は、すでに米国企業に独占されている状況にあるのです。

日本がこれまで得意とするとされていたバイオサイエンスという成長分野での機会を失ったのは、日本国民およびマスメディアの非合理的かつ非科学的な愚かな考え、風潮および論調によるものです。もう少し、日本人は個々人で物事を良く考え、行動できるいい意味での自己確立および個人主義を発展させなければ、世界に遅れを取ることになるのではないでしょうか。
スポンサーサイト



小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
 | HOME |