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2013/11/01

6. 低炭素・循環型社会の構築

6) 農業の再生と環境保全
6)-3 気候変動に耐えうる品種改良

地球温暖化は、日本のイネなどの農作物の熱帯や亜熱帯の外来害虫による被害に加え、高温による品質の低下や収量の減少を引き起しており、今後益々これら被害を拡大していくと懸念されています。
温暖化は、日本の冬季の平均気温を押し上げるため、熱帯や亜熱帯の外来害虫が越冬可能になります。ミナミアオカメムシは最も寒い月の平均が5℃以上になると冬を越せるようになります。この半世紀前まで、ミナミアオカメムシの北限は宮崎県南部であったが、熊本、大分、福岡へと北上し、現在では岡山、静岡、島根などでも見かけられるようになっているそうです。熱帯や亜熱帯の外来害虫は繁殖力が強く、その増加が著しいので、農薬の使用が増えることになるが、それに伴い農薬に耐性を有する害虫も発生し易くなると懸念されています(朝日新聞2008年7月24日付け)。

外来害虫による農産物の被害だけでなく、地球温暖化は高温による農作物の被害が起こっています。環境省「地球温暖化 日本への影響」によれば、2046~2065年の平均収量は現在に比べて、北日本では5~10%、北海道では20%近く収量が増加する半面、西日本では現在とほぼ同じかやや減少するとみられています。この傾向は2081~2100年に向けてより強くなる見込みであるとされています。この推計は、気温、日射量、二酸化炭素濃度の影響だけであり、雨量の変化による水資源や病虫害の被害などは考慮されていません。

特に、高温によるイネへの直接的な被害は九州地方ですでに起こっているのです。たとえば、これまで主に生産されてきた「ヒノヒカリ」という品種は、2004年ごろから粒が白く濁ったり、細かくなったりして等級認定が低下するとともに、収量も減少していると言われています。この最大の原因としては、8月下旬の出穂期から9月にかけて平均気温が90年代よりも1℃近く上昇したことによるものと考えられています。

これらの外来害虫や高温、干ばつなどによる農作物の被害を避けるための方法としては、害虫に抵抗性を有する作物、高温や干ばつに耐えうる農作物への育種改良があります。
農作物の育種改良は、バイオテクノロジーが最も実力を発揮できる領域であり、食糧増産を通じて人類に貢献できる技術なのです。

次回は、世界におけるバイオテクノロジー(特に遺伝子操作)による農作物育種改良と寡占化についてみていきたいと思います。
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小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
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