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2013/04/22

6. 低炭素・循環型社会の構築

5)-2 化石燃料の消費抑制と温暖化ガス発生のない代替エネルギーの開発
b)燃料電池
・家庭における発電システムとしての適用
CO2の排出量を大幅に低減できる燃料電池などは、すでに実用化されています。しかしながら、原子力発電以外に化石燃料を代替できる大規模なエネルギー源がないのが現状です。燃料電池は水の電気分解の逆の反応を利用して電気を取り出す装置であり、酸素は空気中から、また水素は都市ガス、LPガス、灯油などから取り出して燃料とします。このようなガスから水素を取り出す時にCO2を排出するが、酸素と水素の反応による発電の際には、無害な水(水蒸気)だけが生成するだけで、全くCO2を排出しないのが特徴で、大幅な地球温暖化ガスの削減につながります。
さらに、燃料電池で発生する排熱で給湯するコジェネレーションシステムを組み合わせれば、電気とガスによる給湯に比べて、燃料電池装置1基当たり年間で平均1160 kgのCO2排出を削減できると試算されています。しかも、その一次エネルギー利用率も80%に達し、最新の火力発電所の約40%に比べ2倍近い効率であると言われています。
また、05年から、国は家庭での大規模模擬実証試験を開始し、この事業に民間企業17社が参画して、これまでの2187戸へ機器を設置、06年は1120戸に、07年度末までに計1203万時間、689キロワット・時発電したということであり、着々と実績が積み重ねられています(朝日新聞08/06/25日付)。
国は燃料電池について、太陽電池と共に家庭の温暖化ガス削減のための重要機器として位置付けているが、燃料電池の家庭への普及のネックは価格がなお高いことであり、早急な普及には国の助成金制度が必要です。
一般家庭における電力供給にこの燃料電池システムと太陽電池システムを組み合わせて適用すれば、CO2の発生の極めて少ない電力供給システムを確立することができるのです。
このように、すでに確立された技術、およびそれらの組み合わせにより原油を始めとする化石燃料の消費を大幅に削減しながら、エネルギーを供給できるのであるが、初期投資が大きいために発電コストが高くなり、なかなかこのような優れた技術の浸透が進まないのです。

後で述べる太陽電池の家庭への普及においても、国が助成方針を維持している間は太陽電池パネルの生産および家庭への普及も世界一の地位を占めていましたが、助成方針が撤廃されて以降、手厚い助成を継続したドイツに太陽電池パネルの生産および家庭への普及とも追い抜かれた苦い経験があります。燃料電池生産コストの低減や家庭への普及に関して、国は太陽電池の轍を二度と踏まないことを願わざるを得ません。

今日のような化石燃料によるエネルギーの大量消費は、さらなるCO2の大量放出と地球温暖化を招き、この地球温暖化のさらなる進行による自然災害の多発とその規模の増大、それに伴う経済活動の停滞による大きな損害を考慮すれば、各国は補助金政策によるCO2排出を伴わないエネルギー供給システムのためのインフラ整備はそれらの被害を防ぐための経費、あるいは投資と考えれば安いものではないでしょうか。
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小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
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