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2011/05/08

5. 日本の進むべき道 -小さな政府か、大きな政府か -

4) 大きな政府、北欧諸国の実態

4-2) 北欧諸国の経済
2) 北欧諸国の経済成長率
政治家、経済学者やエコノミストの多くは高負担の福祉国家では、国民の働く意欲がそがれ、経済は停滞し、財政は破綻すると主張しており、多くの日本国民はそのように受け止めているのでしょうか。このことが本当であるかどうか検証するために、日本、米国と北欧諸国の福祉国家における1995年から2007年の1人当たりのGDPの推移および12年間の増加倍率をOECD 資料(Annual National Accounts Database)をもとに比較しました。

1995年度の日本の1人当たりの名目GDPは41,952ドルとOECD諸国内で1位、米国(27,542ドル)は11位であったのに対して、北欧諸国のデンマーク(34,796ドル)、ノルウェー(34,172ドル)、スウェーデン(28,048ドル)およびフィンランド(25,568ドル)はそれぞれ2, 3, 6および14位でした。1999年度では日本の1人当たりのGDPは34,669ドルで4位、米国(32,994ドル)は5位であったのに対して、ノルウェー(35,645ドル)、デンマーク(32,690ドル)、スウェーデン(29,021ドル)、フィンランド(24,831ドル)はそれぞれ3, 6, 8および14位でした。2003年度では日本(33,221ドル)は9位、米国(37,489ドル)は7位であったのに対して、ノルウェー(49,312ドル)、デンマーク(39,448ドル)、スウェーデン(34,722ドル)、フィンランド(31,596ドル)はそれぞれ2, 4, 8および11位でした。また、2007年度では日本(34,326ドル)は19位、米国(45,489ドル)は11位であったのに対して、ノルウェー(82,549ドル)、デンマーク(56,788ドル)、スウェーデン(49,515ドル)、フィンランド(46,518ドル)はそれぞれ2, 6, 7および9位でした。
特に、興味深いのは、1995-2007年の12年間の1人当たりのGDP増加倍率であり、日本は0.82となり、この12年間日本の経済が完全に停滞、むしろデフレ経済で縮小していることがよくわかります。バブル崩壊後の失われた10年と言われる所以です。また、北欧諸国とは対極にあり、国民負担の少ない小さな政府の代表である米国は、1人当たりのGDPがこの12年間に1.65倍に増加しています。一方、高負担・高福祉国家である北欧諸国のほとんどの国は、1人当たりのGDPは極めて順調に伸びており、2007年ではすべてトップテンに入っているのです。この12年間のノルウェー、デンマーク、スウェーデンおよびフィンランドの伸び率は、それぞれ2.42, 1.63, 1.77および1.82倍に達しているのです。このように、北欧諸国の伸び率は日本のそれよりもはるかに高く、日本の多くの識者が高く評価している米国経済に比べても、高い経済成長率および1人当たりの名目GDPを達成しているのです。

以上から明らかなように、社会民主主義を嫌う多くの政治家、経済学者、エコノミストや評論家が感覚的、あるいは恣意的に主張する高負担の福祉国家では、経済が停滞し、財政が破たんするという喧伝は、全く根拠のないものであることが明らかです。むしろ、米国新自由主義経済に追従している日本の方が、これら高負担・高福祉国家の北欧諸国よりも、経済停滞による財政破綻を危惧するべき状態にあるのではないでしょうか。
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小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
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