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2010/06/07

5. 日本の進むべき道 -小さな政府か、大きな政府かー

3.小さな政府、米国の実態
3.3. 投機マネーによる原油高騰

2008年北海道洞爺湖サミットで、高騰する原油市場の対策として、米国以外の先進国は、投機マネーをある程度規制すべきという姿勢で一致していたものの、市場メカニズムがすべての市場原理主義を標榜する米国にとっては、規制による原油価格の抑制などはあり得ない政策なのです。さらに、ブッシュ政権は巨大な利益団体である米石油資本に支えられていることもあって、投機マネーの規制による原油高騰の抑制政策は米国には決して受け入れられるものではなかったのです。

原油高騰には、BRICsと呼ばれる新興国、その中でも急成長している中国およびインドの原油需要が増え続ける一方、OPECを中心とする産油国による大きな生産増が見込まれないという背景があります。しかしながら、さすがの米国においても、国民の足であるクルマのガソリンが高騰しだすにつれて、「原油が足りないわけではなく、投資ファンド、ヘッジファンドなどが原油価格を吊り上げている」として投機マネーへの批判が高まりました。
このように米国民による批判が高まってきているにもかかわらず、ブッシュ政権は、なお規制強化による原油の投機相場抑制政策には消極的であったのです。しかしながら、次期米国大統領候補であった同じ共和党のマケイン議員は「原油相場の投機防止のために、法改正による規制」、また同候補であった民主党オバマ議員は「規制の抜け穴を完全に封じる」として原油相場への投機規制強化をそれぞれの演説で強調したのです。
事実、08年夏ごろの原油高は需要と供給のバランスによる価格上昇分は45%に過ぎず、55%分は投機資金の流入などが原因だと分析されていたのです(08年度エネルギー白書、朝日新聞2009年4月4日付)。
このように、新自由主義経済を標榜し、市場原理を徹底しているようにみえる米国も投機資金の規制を導入せざるを得なくなっており、米国における新自由主義経済は終焉に向かわざるをえない状況に追い込まれているのです。
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小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
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