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2009/07/29

3. 小泉構造改革による持続性社会の疲弊 -3) 衰退国家

日本が欧米先進国と比べて非常に厳しい状況に置かれている問題として前例のない急速な少子高齢化があります。マーケットの大きさは人口に依存しているように、国力は基本的には人口の多寡によって決まるのです。
日本は欧米先進国では経験したこともないスピードで少子高齢化社会を迎えています。欧米先進国でも高齢化が進んでいるが、米国やフランス、とくに北欧諸国などでは出生率の上昇など少子化を食い止めることに成功しています。
日本の場合、小泉構造改革により齎された非正規社員・低所得者層の急増や不安定な雇用環境だけでなく、まもなく米国を追い抜き世界一に迫りつつある貧困率の上昇、高い教育費、医療危機による小児科医、産婦人科医不足など、若者が結婚して子どもを生み育てる社会環境が破壊されているのが現実です。一方、正社員もリストラによっていつ非正規社員の立場になるかわからないという潜在的な脅威、さらに業務の過度な増加(非正規社員の指導・監督など)と要員不足とが相まって、サービス残業、長時間労働などの過重労働による過労死や精神障害にさらされている過酷な労働環境にあり、心のゆとりのないギスギスした社会になってしまっているのです。
日本はただでさえ少子化に苦しんでいるのに、小泉構造改革により齎されたこのような社会労働環境は、この少子化に拍車をかけていることが、すでに述べたように各種調査で実証されているのです。

国・地方合わせて1,000兆円にのぼる膨大な借金を誰が返すのでしょうか、いや返せるのでしょうか。
今、借金および少子化を止めなければ、将来の日本はまさに地獄(たとえば、スーパーインフレ)そのものになることでしょう。
人口の再生産が行われないような日本社会は、持続可能な社会とはいえません。さらにこの少子化に拍車をかけた小泉構造改革を推進した小泉・竹中だけでなく、財界のトップ層を始めとする多くの構造改革推進論者らは自ら猛省するとともに、小泉構造改革を総括すべきです。
経団連などの産業界の指導者には小泉構造改革(特に、04年の労働者派遣法の大幅な規制緩和)をうまく利用して、偽装請負までしても自社の目先の利益のみに執着し、コンプライアンスに欠けるような品格のない人物も多く、このような人たちに日本の将来を託すことはできません。彼らは、長期的展望に立った日本経済の発展と成長および日本国民の幸福などを考えているとは到底思えないのです。

日本的企業経営の特徴は目先の利益にとらわれることなく、終身雇用と人材育成による技術革新(イノベーション)を国際競争力の源泉とした長期的戦略に立った企業経営が基本であり、一方、新自由主義を標榜する米国流企業経営はいかに短期間に利潤を極大化させ、いかに資本家(株主)の要求に応えるかにあるのです。
日本の大企業の近視眼的利益追求姿勢および利潤の株主への高配当(一般労働者への労働分配率が長期にわたって低下しているにもかかわらず)をみると、小泉構造改革により“日本もとうとう米国のような国になってしまった”とつくづく思うのです。
この米国マネー資本主義がリーマンショックを契機に崩壊したが、まだ米国に救いがあるのは出生率が高く、人口の再生産が可能な国力のある国として存在し得るところにあります。残念ながら、日本は今後とも、小泉構造改革の「負の遺産」により益々少子化に拍車がかかり、このまま有効な対策を講ずることができなけfれば急速な人口減少を伴う衰退国家に陥る状況にあるということです。
このような急速な人口減少社会では市場が縮小する一方であり、内需経済の衰退は避けられず持続性社会をも危うくするのです。どうして産業界の指導者らは少子化をさらに加速し、市場の縮小を促進するような小泉構造改革を支持し、強力に推し進めようとするのでしょうか。
品格もなく、高い理念も持ち合わせていない経営者たちは、自社の目先の利益さえ確保されれば、日本国、日本社会がどうなろうとも知ったことではない、最終的に世界で生き残ればよいと考えている
としか思われません。
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小泉構造改革の総括と日本の進むべき道 | Comments(0) | Trackback(0)
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